アスベストの健康被害分析

アスベストは鉱物質の一種で建設や製造業などで多用されていました。アスベストの粉塵は健康に悪影響を及ぼすことが知られています。現在では、多くの国で使用が禁止または制限されています。例えば、欧州連合では、2005年にアスベストの使用が禁止されました。

アメリカ合衆国では製品の使用に対する規制がありますが、完全な禁止はされていません。今後は、暴露された人々の長期的な健康被害に対する分析が重要です。健康被害分析には、次の４つの要素が含まれ総合的に判断することが重要と言われています。暴露評価は、アスベスト暴露が健康に影響を与える可能性を評価することです。

暴露のレベル、期間、場所などから行われます。健康リスク評価は、暴露によって健康リスクがどの程度あるかを評価することです。この評価には、健康影響の種類、発病および死亡リスクなどが含まれます。疾患診断は、暴露によって引き起こされる疾患を診断することです。

この診断には、胸部X線写真や肺機能検査および細胞診などが含まれ、医療機関への定期的な受診が必要です。健康管理は、医療機関受診後の定期的なフォローアップを意味します。全身状態を長期的に観察する必要があります。これらの要素を組み合わせて総合的に健康被害を調査分析する必要があるとともに、長期な分析を行うことも必要です。

暴露によって引き起こされる健康問題を予防し、早期発見することが近年国際的な課題です。また、蓄積されたデータを今後の健康推移の予測にも活用されることが期待されます。